
目次
・若い年代に多い性器クラミジア感染症、男女ともに不妊につながることも
・どんな検査と治療を行うの?陽性の場合はパートナーと共に治療を
・性器クラミジア感染症と不妊
若い年代に多い性器クラミジア感染症、男女とも不妊につながることも
性器クラミジア感染症は、性感染症のなかで最も罹患者が多い感染症です。特に20代を中心とした若年層での発症が目立っています。進行すると不妊の原因になることがあるため、気になる症状があれば、早めに受診しパートナーにも検査・治療を促すことが大切です。
性器クラミジア感染症は、「クラミジア・トラコマチス」という細菌によって引き起こされ、主に性的接触によって感染します。
女性の場合…感染しても自覚症状がほとんどない場合が多いです。症状がある場合でも、おりものの異常や軽い下腹部痛など比較的軽微なことが多く、感染に気が付きにくい傾向にあります。のどの違和感を伴うこともあります。
感染が進行すると、不正出血や性交時痛がみられることがあります。さらに感染が持続すると、子宮や卵管、卵巣に炎症が広がる「骨盤内炎症性疾患(PID)」を引き起こすことがあり、卵管閉塞や癒着につながることで不妊の原因となる可能性があります。
妊娠中に感染している場合、流産のリスクが高まる可能性が指摘されています。また、未治療のまま出産すると産道感染により、新生児に結膜炎や肺炎などを引き起こす可能性があります。そのため、妊娠中にはスクリーニング検査が行われます。
男性の場合…排尿時の痛み、尿道からの分泌物、かゆみなどの症状がみられることがありますが、約半数は無症状とされています。放置すると精巣上体炎を引き起こし、精子の通り道が閉塞することで不妊につながる可能性があります。

どんな検査と治療を行うの?陽性の場合はパートナーと共に治療を
【検査】女性では子宮頸部の分泌物、男性では尿を用いて行われます。女性は婦人科、男性は泌尿器科で検査が可能です。
性器クラミジア感染症は無症状のことが多いため、症状がなくても感染の可能性がある場合には、積極的に検査(スクリーニング)を受けることが重要です。
【治療】感染が確認された場合には、抗菌剤による治療が行われます。妊娠中の場合は胎児への安全性を考慮した薬剤が選択されます。治療後は、確実に感染が消失したことを確認するために、再検査(治癒確認)を行うことが推奨されます。
性器クラミジア感染症は、カップルのどちらか一方のみが治療を行っても、パートナーが未治療のままでは再感染する可能性があります。そのため、カップルで同時に治療を受ける必要があります。
性感染症は、性交渉の経験がある方であれば誰でも感染する可能性があるため、受診をためらう必要はありません。
◆性器クラミジア感染症と不妊◆
性器クラミジア感染症によって卵管が閉塞した場合には、手術による治療が必要となることがあります。一方で、年齢や妊娠までの時間を考慮して、早期の妊娠を目指す場合には、卵管を介さずに受精を行う体外受精などの生殖補助医療を優先することがあります。

【監修にご協力いただいた先生】田中佑佳(たなか ゆか)先生
日本産婦人科学会 産婦人科専門医/日本生殖医学会 生殖医療専門医/日本スポーツ協会認定スポーツドクター/日本医師会認定産業医




