
ネット上には妊活に関する情報がたくさん。妊活中の人に向けたサプリメントの宣伝も多い中、「赤ちゃんを授かるために出来ることは試したい」という気持ちはとても自然なことですが、まずは自分に必要なことを整理してみましょう。
妊活中の栄養摂取は妊娠後の健康の土台作り。意識して葉酸摂取を
まず知っておきたいのが、現時点で「これを摂取したら妊娠率が向上する」という科学的な根拠のあるサプリメントはないということです。
妊活中に意識して摂取したい栄養素のひとつがビタミンB群の一種である「葉酸」です。葉酸は、おなかの中の赤ちゃんに起こる先天異常のひとつである「神経管閉鎖障害」の発症リスクを低減することがわかっています。日本産科婦人科学会でも、妊娠前からサプリメントで葉酸を補充することで、神経管閉鎖障害の発症リスク低減が期待できるとしています(なお、神経管閉鎖障害はおかあさんの葉酸不足だけが原因ではありません)。
特に葉酸が重要となるのは、妊娠前から妊娠初期にかけてです。赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる神経管は、妊娠のごく早い時期に形成されます。この時期は、まだ妊娠に気づいていないことも少なくありません。そのため、妊娠がわかってからではなく、妊活中から葉酸を十分に摂取しておくことが大切です。通常の食事に加え、サプリメントに使用される生体利用率が高い合成型葉酸を400μg/日摂取することを目安としましょう。
妊活中の栄養摂取は「妊娠するため」ではなく、「妊娠後のおかあさんと生まれてくる赤ちゃんが健康に過ごすため」の体の土台作りとして重要なのです。妊活中の人は、栄養摂取について以下の点を意識しましょう。

栄養摂取の基本は食事から。バランスの良い食事を大切に
欲しい栄養が手軽に摂取できるサプリメントはとても頼もしい存在ですが、栄養摂取の基本は食事です。「サプリメントは薬ではないから多めに摂っても大丈夫」と誤解されがちですが、多くのサプリメントは「有効成分」と称されるものが高濃度で添加されており、過剰摂取や成分同士の相互作用などのリスクがあるとされています。過剰摂取は深刻な健康トラブルを引き起こすことがあるため注意が必要です。
一方、食事の場合はサプリメントと異なり味や香りなどがあり、ある程度の量を食べると満腹感を感じます。そのため、成分の過剰摂取のリスクは低いと考えられています。
厚生労働省は、妊娠前からバランスの良い食事を1日のうち2回以上摂ることが大切だとしています。
バランスの良い食事の目安とは?
・炭水化物の供給源の主食(ごはん、パン、パスタなど麺類)
・タンパク質の供給源の主菜(肉、魚、卵、大豆・大豆製品)
・ビタミンやミネラル、食物繊維の供給源の副菜(野菜など)
これら3つがそろった食事のことで、適切な栄養摂取量につながります。

どうしても食事から栄養を摂ることが難しく、欠乏症が心配な場合は、サプリメントの利用について医師などに相談すると安心です。

【監修にご協力いただいた先生】佐野こころ(さの こころ)先生
医学博士・保健師・看護師。
2017年に㈱食のおくすりを設立。みんなが「食」によって健康に生きていける世界を目指して、「食」を通じて日本の健康課題を解決することに取り組んでいる。無添加・手作りの冷凍幼児食「Tot Plate(トットプレート)」や、栄養学が学べる料理教室「ヘルシーキッチン」の運営を行っている。2024年より藤田医科大学医学部臨床栄養学講座の客員講師を務める。
●冷凍幼児食「Tot Plate」 ●栄養学が学べる料理教室「ヘルシーキッチン」



