【男性の妊活情報】妊活中に悩む人も少なくないEDとは。早めの受診の検討を(医師監修)

妊活中に悩む人も少なくないEDとは。早めの受診の検討を【医師監修】

勃起について何らかの悩みを抱えている男性は、国内で1,000万人超にのぼるとも言われています。勃起不全(ED)は「加齢によるもの」というイメージが根強いですが、生活習慣病やストレス・プレッシャーなどが引き金となり発症することもあります。20代でも問題を抱えている人は少なくないとの調査結果もあり、年代問わず勃起不全のリスクがあると言えます。

特に、妊娠希望のあるカップルにとって深刻な問題ですが、何よりEDは心血管疾患など全身疾患の前兆の可能性もあります。受診に恥ずかしさを感じるかもしれませんが、自分だけだと思い悩まず早めに受診を検討しましょう。

 目次
・EDとはどのような状態を指すの?
・原因や予防方法は
・どのような治療が行われるの?

EDというと「全く勃起しない状態」だと捉えている人もいるのではないでしょうか。しかし、勃起に時間がかかる、硬さが不十分、勃起状態を維持できない、再勃起が困難--といった状態も該当する可能性があります。

■セルフチェックポイント
通常、性機能に問題のない健康な男性の場合、生理現象として睡眠中に複数回勃起が起こります(夜間睡眠時勃起現象とも呼ばれます)。そのうち、目覚める前のタイミングで発生する早朝勃起(「朝だち」とも呼ばれます)の頻度が「以前より少なくなった」などの自覚がある人は、EDの前兆かもしれないので注意が必要だとされています。

そもそも勃起は、性的刺激を受けると脳が感知し、神経を通じて陰茎に信号が送られ、陰茎に多量の動脈血が流れ込み充満することで起こる現象です。
しかし、動脈硬化や神経障害(脳腫瘍や脊髄損傷など)、男性ホルモン低下、ストレス・プレッシャーなどにより、こうしたプロセスに問題が生じるとEDが起きます。そのほか、近年関心が高まっている男性更年期障害(LOH症候群)の症状にも性欲低下やEDがあります。男性更年期障害は主に男性ホルモン(テストステロン)減少によるもので、大半は40代以降ですが、稀に30代でも発症する人がいると言われています。

■器質性EDの要因
加齢、糖尿病、肥満、高血圧、喫煙、テストステロン低下、慢性腎臓病、神経疾患、手術/外傷、薬剤(抗圧剤や抗うつ薬など)。
■心因性EDの要因
ストレスやプレッシャー、うつなど。
※器質性、心因性が混合するケースも珍しくないと言われています。

肥満の改善や禁煙に取り組むなどリスク要因を取り除くことで、EDの予防のみならず、関連する疾患の予防や進行の抑制にもつなががる可能性があります。
若い世代のEDは、心因性が多い傾向にあると指摘されています。とりわけ妊活中は、妊娠へのプレッシャーから勃起に悩む人は少なくないと言われています。こうした状況を回避するため、排卵時期だけ性交を試みるのではなく、日頃から週2~3回の性交を習慣化することで、プレッシャーを感じずにタイミング法(妊娠確率の高い排卵時期に性交する)の実施につながります。

泌尿器科や専門クリニックなどを受診すると、問診で病歴や合併症、薬剤・嗜好品の有無、運動習慣のほか、BMIといった身体の状態などが確認されます。必要に応じて、ホルモン値検査などが実施されます。

患者の希望を踏まえ治療方針が決まりますが、陰茎の血管を拡張し血液量を増やして勃起を促進する薬(PDE5阻害薬)が中心です。種類によって効果発現時間や持続時間に違いがあるほか、併用できない薬(狭心症の治療などに使われる硝酸薬など)もあるので、必ず医師の診察を受けて処方してもらいましょう。ネット上で販売されている薬は、品質が懸念されるため手を出さないようにしましょう。このほか、テストステロン低下が顕著な場合は補充療法、肥満の場合は食事・運動療法が行われることもあります。

心因性EDに対しては、根本治療としてカウンセリングが必要な場合もありますが、早期の妊娠を望むカップルにおいては、自身で射精が可能であれば、性交を伴わない人工授精などで妊娠を目指すこともあります。

\パートナーへのメッセージ/
月に1度しか訪れない排卵日にタイミングがとれないと、焦りやイライラとした気持ちを抱いてしまうのは自然なことです。しかし、妊活をきっかけとしたEDは、お互いの将来に真剣に向き合っているからこそ起きることとも捉えられます。
相手を責めてしまうと更なるプレッシャーを与え、悪循環に陥ることも。妊娠への道のりのひとつとして、薬を使う方法や不妊治療(人工授精など)もあるので、検討すると良いでしょう。


監修いただいた先生

【監修いただいた先生】 井手 久満(いで・ひさみつ)先生
順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学創造長寿医学講座特任教授。
1991年宮崎大学医学部卒業後、国立がんセンター研究所分子腫瘍学部、カルフォルニア大学ロサンジェルス校ハワードヒューズ研究所、杏林大学泌尿器科、帝京大学医学部泌尿器科学准教授、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授、同 低侵襲治療センター教授などを経て、2023年より現職。
【資格】医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医日本内分泌学会内分泌代謝科(泌尿器科)専門医、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医、泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医、テストステロン治療認定医、日本メンズヘルス医学会副理事長、日本抗加齢学会 副理事長、日本性機能学会理事、日本内分泌学会理事、ヒト細胞学会評議員 等

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