【男性の妊活情報】男性も早めの不妊検査を(医師監修)

【男性の妊活情報】早めに不妊検査を受けよう


男性の妊活への意識は高まりつつありますが、不妊検査や病院受診は女性よりも遅れがちです。海外の研究の中には、男性の精子の数が半世紀で大きく減少したとの報告もあり、精子の減少傾向に対して関心をもつ必要がありそうです。しかし、男性不妊は自覚症状がないことも多く、精液検査で確認しなければ分かりません。「もしかしたら自分にも妊娠しづらい原因があるのかもしれない」と疑ってかかり、妊活を考え始めたら早めに精液検査を受けることが重要です。

 目次
・男性の不妊検査の重要性
・精液検査で分かること
・精液検査で異常が疑われたら?

精子の状態が悪いと、可能性は0ではありませんが、自然妊娠が難しくなるほか、不妊治療の成功率の低下につながることがあります。もし原因が見つかったら「パートナーに申し訳ない」「ショックを受けそうだ」と、検査をためらっている男性もいるかもしれません。しかし、男性不妊は決して稀なケースではないので、あまり考えすぎず受診しましょう。
重要なのは早期発見です。年齢と妊娠率に関連がある中、男性不妊に気が付かないままパートナーが年齢を重ねると、さらに妊娠率が低下する可能性があります。男性が自発的に検査や治療、生活習慣の改善に取り組むことで、結果として自然妊娠に至ったり、不妊治療にかける時間や費用を低減できるかもしれません。何より「2人で妊活に向き合っている」という心強さにも繋がるでしょう。

一般的な精液検査は、不妊治療クリニックや不妊症を診ている泌尿器科、産婦人科などで受けることができます。
自身で採取した精液から精液量、精子の濃度、運動率、正常形態率などが測定されます。WHO(世界保健機関)が定める精液検査の正常値(下表)を下回ると、精子に問題がある可能性があります。なお、精子の状態は体調や生活習慣などの影響を受けやすいため、2回以上の検査を行い総合的に判断されます。


検査に提出する精液は、自宅もしくは病院(採精室)で採取します。場所による結果への影響はほとんどありませんが、自宅から遠い場合(2時間以上かかるといったケース)は病院、緊張しやすい人はリラックスできる自宅で行うと良いでしょう。
また、「2~7日程度」の禁欲期間を設けた上で検査を受けるように調整しましょう(検査を受ける病院によっては、さらに短い禁欲期間が推奨されている場合もあるので、指示に従うようにしましょう)。禁欲期間は短すぎると蓄えられる精子の数が十分ではない一方、長くなり過ぎるとダメージを受ける精子が増え、正確な結果を得られないためです。

男性不妊検査の重要性

男性不妊症を診ている不妊治療クリニックや泌尿器科を受診し、次のような追加検査を受けた上で、それぞれの原因に応じた治療が進められます。いずれの検査も大きな痛みは伴いません。

■触診
精巣や陰嚢の大きさを確認。サイズが小さい場合、精子を作る機能が低下している可能性があります。
■ホルモン検査(血液検査)
精子の形成に関係するホルモン値(FSH,LH,テストステロン,プロラクチンなど)を測定。
■超音波検査
精巣や陰嚢にプローブを当て、男性不妊の原因として多い精索静脈瘤や、精子の通り道の詰まりの有無などを確認します。
■精子DNA断片化検査/酸化還元電位検査(精液検査の一種)
一般の精液検査では測ることができない精子の質(酸化ストレス、DNA損傷の程度)を調べます。精子の数が少ない、運動率が低い人の場合、酸化ストレスやDNA損傷の割合が高い傾向にあります。
■染色体検査/遺伝子検査(血液検査)
重度の乏精子症や無精子症の原因特定(染色体異常によるものかなど)、精巣内から精子を回収できる可能性、遺伝リスクを探るために実施します。

自宅で検査できる簡易キットって?
どうしても病院受診に心理的なハードルがあるなら、まずは自宅で実施できる検査キットを利用するのも手です。
専用アプリをダウンロードした上で、スマホのカメラで精子を撮影すると精子の有無などを確認できる商品や、自宅で採取した精液を郵送で検査機関に提出すると結果が送られてくるサービスもあります。
※あくまで参考値と捉え、病院受診のきっかけとしましょう。


【監修いただいた先生】井手 久満(いで ひさみつ)先生
順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学創造長寿医学講座特任教授。
1991年宮崎大学医学部卒業後、国立がんセンター研究所分子腫瘍学部、カルフォルニア大学ロサンジェルス校ハワードヒューズ研究所、杏林大学泌尿器科、帝京大学医学部泌尿器科学准教授、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授、同 低侵襲治療センター教授などを経て、2023年より現職。
医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本内分泌学会内分泌代謝科(泌尿器科)専門医、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医、泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医、テストステロン治療認定医、日本メンズヘルス医学会副理事長、日本抗加齢学会 副理事長、日本性機能学会理事、日本内分泌学会理事、ヒト細胞学会評議員等。

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