不妊治療クリニック選びのポイント【医師監修】

不妊検査や治療を受けると決めたら、病院選びに悩む人もいるでしょう。特に生殖補助医療にステップアップすると通院頻度が多くなり、仕事との両立に悩むこともあるかもしれません。信頼できる医師やスタッフのいる病院に通うことが何より大切ですが、アクセスの良さといった通いやすさも重視したいところです。ここでは、病院選びのポイントをいくつか紹介します。

不妊治療クリニック選びのポイント

不妊治療が受けられる施設は大きく①体外受精まで対応している病院②婦人科をメインに、タイミング法や人工授精の一般不妊治療の範囲で対応している病院――に分かれます。
高齢(35歳以上)の場合、体外受精の適応となることが多いため、最初から不妊治療の専門性が高い病院を受診するとスムーズに治療に移行することができます。また、これらの病院には生殖医療専門医など不妊治療のエキスパートが在籍しているため、心強く感じるでしょう。とは言え「いきなり不妊治療専門の病院は行きにくい…」という人もいます。年齢的に急いで治療を進める必要がないなら、まずはかかりつけの婦人科に相談してみましょう。

仕事と不妊治療の両立に悩む方は多く、厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」によると、「仕事と治療を両立できない」と答えた人は4人に1人以上にのぼります。

個人の体の状態や病院によって異なりますが、体外受精において卵巣から卵子を取り出す採卵のフェーズに入ると、2週間のうち5回ほど通院が必要になります。突発的な受診が生じることも、仕事との両立がしにくい要因です。また、治療によっては、指定された時間内に自宅で採取した精液を病院に持参しなくてはいけない日もあり、そういった点でも通う距離は重要です。

職場や家から通いやすいクリニックを選ぶことで、通勤の前後、仕事の合間などに通院することが可能になります。また、朝早い時間や夜遅い時間も受け付けているクリニックもあります。最近では、オンライン会計を導入するなど、混雑緩和を図っているクリニックもあるので、自分の生活に合うところを選べると負担が軽減できるでしょう。

不妊治療は必ずしもすぐに結果がでるとは限らず、長期化することもあるので、医師やスタッフを信頼できるかが重要なポイントです。インターネット上の口コミは参考程度とし、クリニックに足を運びカウンセリングを受けて自分の目で確かめてみましょう。

\不妊治療のここが気になる/
Q.治療成績を公表している病院もあります。病院選びにおいて治療成績を一番参考にすべきですか?

A.情報のひとつとして参考にするのはもちろん良いですが、治療成績に用いる基準は病院によって異なります。例えば、妊娠率を算出するに当たり、胚移植周期数もしくは採卵周期数のどちらを分母として算出するかにより、成績の見え方が変わってきます。患者の主な年齢層が異なる場合も同様です。
公益財団法人日本産科婦人科学会が調査・公表している「体外受精・胚移植等の臨床実施成績」と比べ乖離が大きくないのであれば、心配し過ぎる必要はないでしょう。

<田中 佑佳先生より>
ひとりひとりの年齢や卵巣機能といった身体の状態、家族計画に合わせた治療を一緒に検討してくれる病院を選ぶと良いでしょう。
外来においては、おひとりの患者さんに当てられる診察時間が決まっているため、毎回長時間の相談をするのが難しい場合もありますが、患者さんからの質問に対して医師やスタッフが誠意をもって対応するかどうか、は信頼関係を築く上で重要です。また、信頼関係は相互で成り立つものですから、医療者側と患者さんがお互いに積極的なコミュニケーションを心がけ、まずは相手を信頼してみるということが大切です。
不妊治療に限った話ではありませんが、医師との関係がうまくいかないと「転院した方が良いのかな?」と不安になる方もいるかもしれません。しかし必ずしもそうではありません。同じ病院の他の医師に診察をお願いすることも可能な場合が多いので、その場合は受付スタッフに相談してみてください。複数の医師が診ることで気が付くこともあります。

不妊に悩むカップルのうち、原因の半分は男性側にあると言われています。病院内に男性不妊の外来が設けられていたり、男性不妊専門の医師への紹介がスムーズであれば、早期に治療に移行できるというメリットがあります。

治療期間が長引くほどストレスも大きくなります。不妊カウンセラーや臨床心理士を設置しカウンセリングを実施している病院もあります。相談の場があると安心です。専門家に相談することで、問題点や気持ちが整理されて前向きに治療できた、という声もあります。

さまざまな色の星型のイラストが描かれています。
医師がクリニックの中でカメラに向かって微笑んでいる写真

<監修いただいた先生>
田中 佑佳(たなか ゆか)先生
日本産婦人科学会 産婦人科専門医/日本生殖医学会 生殖医療専門医/日本スポーツ協会認定スポーツドクター/日本医師会認定産業医

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